平成生まれのゆとり作家が夏目漱石に勝つ方法
読者と接点を持つ。コミュニティーをつくる。『拝啓、本が売れません』特別編③
■鉄は熱いうちに打て!
『今日、ピースオブケイクの加藤貞顕さんにお会いしました。noteやcakesを使ったコンテンツの展開→販売についていろいろと面白いお話ができまして、現在進行中の企画に何か活かせるかな、と考えた次第です。とりあえず今度打ち合わせさせてください』
「乗れっ! 面白がってくれK氏!」
Nexus7を空に向かって掲げてメールを送信すると、隣を歩くワタナベ氏が笑っていた。
「額賀澪公式サイトを作ったときも思いましたけど、相変わらずフットワークは軽いですよね」
「鉄は熱いうちに打てです! ぶっちゃけ『拝啓~』なんて本を出してしまったので、大概の提案はもう怖くないです!」
新人の頃は「作家が販促の提案をするなんておこがましいだろうか」「出版社にプロモーションの部署があるんだから、プロに任せておいた方が変な波風が立たないんじゃないか」なんて思っていた。しかし、『拝啓、本が売れません』などというタイトルの本を書き、初版部数や累計発行部数まで本編の中に書いてしまったら、そんな些細な悩みなど消し飛んでしまった。
さて、K氏はこの提案を面白がってくれるだろうか?